ハーモニックトレーディングとは

ハーモニックトレーディングとは

ハーモニックトレーディング(Harmonic Trading)とは、フィボナッチ数列を利用した、チャートパターン分析で、チャート上に現れた、フィボナッチ比率の幾何学図形の形状をもとに、相場が反転するポイントを予測する、「逆張り」の手法です。
フィボナッチによるテクニカル手法としては、エリオット波動やディナポリ氏の手法が有名ですが、ハーモニック・トレーディングは、チャートのパターンと、縦軸(価格)、横軸(時間軸)から、反転ゾーン(PRZ)をピンポイントに算出することができます。

ハーモニックトレーディングの長所

・チャートパターンが、フィボナッチ比率により明確にパターン化されているため、主観が入り込む余地が少なくなります。


・トレンドの反転、押し目、ストップのポイント、利益確定のポイントを高い精度で絞り込むことが出来るため、効果的なエントリーを可能にします。


・他のテクニカル分析と併用することで、より精度をあげることが出来ます。

ハーモニックトレーディング見る美学

ランダムに形成されているかに見えるチャートの山と谷も、ハーモニックパターンという鏡に写して見てみると、「フィボナッチ比率の幾何学三角形の集合体」に過ぎない動きに集約することが多いということに気づきます。
チャートのあらゆる時間軸において出現する、そのパターンの美しさは、まさに黄金比の神秘です。

 

AB=CDパターン

AB=CDパターンは、ハーモニックトレーディングの中でも、最も基本的であり、シンプルなチャートです。単純な幾何学形であるAB=CDパターンは、あらゆる時間枠に出現し、「バタフライパターン」や「スリードライブスパターン」等を構成する主要な要素ともなります。

このパターンは、3本のラインで形成され、最初のABラインが引かれると、そこから反転し、通常は、0.382,0.50,0.618まで戻してBCラインを形成します。
強気の局面では、0.382までの戻しに留まることが多いとされます。そこから再度反転してCDラインを形成します。

AB=CDパターンの要件
・BCはABよりも短くなければならない。
・終点Dは、Bの水準を超えなければならない。

AB=CDパターンの基本トレード方法としては、A~Dのスイングを形成してAB=CDパターンが完成したなら、ADに対する0.618リトレースメントをターゲットとして逆張りエントリーします。

※フィボナッチ・リトレースメントとは
相場の押しや戻りの価格を、黄金分割比率とも言われるフィボナッチ比率を用いて予測する テクニカル分析手法。
フィボナッチ比率とは、イタリアの数学者レオナルド=フィリオ=ボナッチ(Leonardo Fibonacci、Leonardo Pisano)が1202年に発表した、フィボナッチ数列の中に現れる不思議な比率のことで、0.382、0.618、1.618などの比率をさします。

 

実戦では、A~Dのスイングが完成したあとに、反転したのを確認して、その初動を捉えることが重要になるでしょう。
そして、予想通りに反転したなら、その利益確定ポイント目標は、0.618より少し前に置きます。

通常は、ほぼ40%の確率で、ABとCDの長さが同じ(100%)の綺麗な対称のAB=CDパターンが形成されるとされます。
CDが、ABの1.27~2.0倍以上の長さになるケースが、変形AB=CDパターンです。
変形AB=CDパターンでは、一般的に、CDの長さはABの1.272倍、1.618倍かそれ以上になります。

The AB=CD Pattern

The Alternate AB=CD Pattern

 

ガートレー222パターン

このパターンは、AB=CDパターンが3本のラインから構成されるのに対し、ガートレー222パターンは、4本のラインから構成されます。
基点Xの終点からAB=CDパターンがスタートします。
基点Xは、チャートの主要な安値(高値)であり、トレード方法はAB=CDパターン同様に、AB=CDパターンで戻りを試した後、再度XAのトレンド方向へ進みます。
このパターンを発表したガートレーによれば、このパターンの勝率は70%であると述べています。

ガートレー222パターンの要件
・終点Dは、基点Xの水準を超えてはならない。
・Cは、Aの水準を超えてはならない。
・Bは、Xの水準を超えてはならない。

The Gartley Pattern

バタフライパターン

バタフライパターンは、ガートレー222パターンで、CがAの水準を超えエクステンションしたパターンです。
主に、マーケットの大きな転換局面で出現することが多いとされ、勝率の高いパターンとされています。

バタフライパターンの要件
・ADのスイングにAB=CDパターンを含んでいること
・終点Dは、XAのリトレースメントで2.618を超えてはならない(通常、その上限は1.618)
・Bは、Xの水準を超えてはならない
・Cは、Aの水準を超えてはならない
・Dは、基点Xの水準を超えていること

ポイント
1.終点Dを見極めるために、XAに対するABのリトレースメント率が、0.618,0.786のどちらになるかで勢いを見極めつつ、XAに対するCDのエクスパンション率が1.272,1.618のどちらになるかを予測します。

2.ABとCDは、同じ程度の角度、時間軸で形成されることが望ましい。

3.XAに対するCDのリトレースメントが1.618を超えるエクステンションになると、パターンが無効になり、トレンドが反転せずに継続する可能性が高くなります。

ハーモニックトレーディングは、基本的に、逆張りのスタイルなので、パターンが完成して反転したことを見極めないと失敗トレードとなる可能性があります。

※フィボナッチ・エクスパンションとは
フィボナッチ・エクスパンション、高値から安値の価格幅に対する戻り比率から、上げ幅(下げ幅)の目標となる価格を推測する手法です。

 

The Butterfly Pattern

 

スリードライブスパターン

スリードライブスパターン(三段上げ・三段下げ)は、あらゆる時間枠で出現し、ほぼ同じ間隔で付けた主要な1つの高値(安値)で構成され、その中にはAB=CDパターンが含まれます。
1~3の番号は、3つの主要な高値(安値)であり、その比率は1.272~1.618のエクステンションであり、0.618,0.786のリトレースメント率になることが理想とされます。

スリードライブスパターンの要件
・売りパターンでは1は2より下にあり、買いパターンでは1は2より上にあること。
・売りパターンでは2は3より下にあり、買いパターンでは2は3より上にあること。
・売りパターンではCはAより下にあり、買いパターンではCはAより上にあること。
・それぞれのエクステンション率が1.618を超えた場合は、失敗パターンであることが多い。
・終点3に向かう途中で、大きなスラストを形成した場合は、このパターンにならないことが多い。

ポイント
1.ABとCDの長さがほぼ同じである
2.ABとCDの形成時間がほぼ同じか、ひの構成がフィボナッチ比率に近似している(ABが5本、CDが8本で形成など。)
3.美しい対称性をしていること。

 h1

 

その他、ハーモニックトレーディングでは、上記のパターンを基本として、その変形、拡張パターンもいくつか紹介されています。

AB=CDパターン (Reciprocal AB=CD)

the Batパターン
変形the Batパターン
the Crabパターン
Deep Crabパターン
the 5-0パターン
the Sharkパターン

 

The Bat Pattern

The Alternate Bat Pattern

 

The Crab Pattern

The Deep Crab Pattern

 

 h2

The Shark Pattern

 

 

h14

h15

h17

 

ハーモニックパターンにおける、基本トレードモデル

ハーモニックパターン完成後、

・パターン完成・反転の初動を確認したら、Xをストップにエントリー
・AD波の38.2%を目処に利益確定(第1利確ターゲット)
・AD波の38.2%をストップとして、AD波61.8%を目処に利益確定(第2利確ターゲット)

 Bullis Harmonic Trade Management Model

参考:
・「フィボナッチ逆張り売買法」パンローリング社
・「Harmonic Trading, Volume One: 」
・http://www.harmonictrader.com/

 

One Comment

  1. Pingback: 「テクニカル分析の迷信」 行動ファイナンスと統計学を活用した科学的アプローチとは | wave-art

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です